【ルポ】イギリス最強パワースポットのGlastonbury(グラストンブリー)

観光

11月ともなるとイギリスは日が短くなっていて、旅行気分が起きにくい。でもせっかく来ているしなあと思っていたところ、知り合いに「強いて選ぶなら Glastonbury(グラストンブリー) 」と言ったらあっという間に旅行計画を立ててくれたので、先月行ってきた。

Glastonburyは、音楽の祭典、そしてパワースポットとして知られるイングランド南西部のまち。

LondonからGlastonburyまでの交通

LondonからBathまで電車で1時間20分ほど。Bathからバスで1時間30分のWellsに滞在し、そこからGlastonburyまでバスで15分ほどで行くことができる。

LondonからBristol(ブリストル)まで行き、そこからGlastonburyまでバスという方法もあるけれど、BathのがLondon寄りに位置していて少し近いのと、Wellsは観光スポットとして外せない。

ハイストリート

お店にはEnlightenment(悟り)とかStarchild(スターチャイルド)とかスピリチュアルな名前が付けられていて、扱っているのも、持ち物を浄化するホワイトセージ、お香、アロマオイル、カード、ドリームキャッチャー、古着、インド服のお店などが多い。

その日はたまたまFrost Fayreといいう、まちのあちこちでイベントが開催されるお祭りをやっていたので、この写真ではちょっと人が少なめに写っているけれど、老若何女がかなり出歩いていた。

出店はコーヒー、焼き栗、焼き物、占い、編み物などなど。

行き交う人々のなかには、女の人は10代から50代くらいまで、髪の毛をピンクや赤く染めた女性がちょこちょこいる。前から思っていたけれど、イギリス西部にはロンドンより髪の毛を染めたり、刈り上げたり、モヒカンにするようなファンキーなタイプが多い。

また元なのか現役なのか、ヒッピー感のある初老が多い。苦労がにじみ出ている感じのする人も少なくなく、スピリチュアルを信じていても、豊かになれない例のような気がして、寂しい気分になる。

Glastonbury Tor(グラストンブリー・トー)

気を取り直して、パワースポットに向かう。レイライン上に位置する Glastonbury Tor(グラストンブリー・トー) だ。

Torはケルト語由来の「Hill」を意味する言葉。158mの丘である。

ナショナル・トラストに指定されているが入場無料。

少し見えにくいのだが、丘が段々となっていて、それは自然と出来たもの。

UFOや不思議な光が頻繁に見かけられているというのもなんだか分かるような写真ではないだろか。

階段状の道を10分ほどかけて上がっていくと、頂上にたどり着く。

聖ミカエルチャーチは屋根のない塔で、上を見上げると時の重みを感じると同時にタイムスリップしそうな感覚に陥った。

この日は驚くほど風が強くて、塔 のなかで風がやむのを待っていたら、後からやってきた髪を真っ赤に染めた女の子がおもむろに太鼓を取り出して演奏をしはじめた。

しばらくして丘を降りることにしたのだけれど、小さな階段を下っていくのに、ときおり瞬間的に吹き飛びそうなほど強い風が吹くのでよろめきながらまた塔に戻ってきた。

下りるタイミングがつかめないでいたが、トレッキングの恰好をした4人組についていくことにした。しかし階段の途中でよろめきそうになり、しゃがみこんで風が通り過ぎるのを待っていたら。

「あなたを待ってるよ。」と4人組のうちのひとりが声をかけてくれた。「あぶなかったら私の手につかまって」とも言ってくれて、そのあたたかさこそが奇跡だと思った。

頂上からの景色は360度最高で、見飽きない。

Glastonbury Abbey(グラストンブリー・アビー)

Glastonbury Abbey(グラストンブリー・アビー)は、12世紀の伝説のアーサー王の墓がある遺跡。

ふだんは入園料は大人£11、学生 £9.90(2021年11月現在)などがかかるが、 Frost Fayre につき無料だった。

廃墟となってもなお美しい。廃墟だから美しいのかもしれない。

この日はチャペルの廃墟で地元のコーラスが行われていた。コロナで換気もバッチリだし、なんと粋なのか。

ショップで買った守護天使ウリエル。たしか£4.5。グラストンブリーのおみやげではないけれど、コーンウォール製とあり、近くで作られていたからいいなと思った。

The Chalice Well(チャリスウェル)のRed Spring(赤い泉)

もうひとつパワースポットと名高いのが The Chalice Well (チャリスウェル)という井戸。

鉄分を含んだ水が、赤い色を残すということで、キリストの血の象徴とされる。この井戸の水でキリストの最後の晩餐で使われた聖杯が洗われただとか、その聖杯が埋められているなどといった伝説がある。

その水は自由に汲んで飲むことができる。

水は透明に見えるけれど、味は錆びたような感じで、顔をしかめるほど。

大人の入場料と100mlの専用小瓶を買うと合わせて£6.6。スピ好きな人へのおみやげにもよさそう。

こんなところを見ていると、日本の温泉を思い出す。水は不思議と温かいなんてことがあるのかもしれないと思ったが、まったくそんなことはなく、普通に冷たい。

園内にはレイラインが2つ交差しているプールと呼ばれるスポットもある。

これはジョン・レノンが「Imagine(イマジン)」を着想したと言われるベンチ。中央にエンジェルの石像があるのでよく見てみると。

この写真ではお地蔵さん的に見えるかもしれない。実際目で見ると凄みがあった。

ショップ内はすべてスピなものばかりだし、いろいろなポイントにスピの要素を取り入れていて、多少商売っ気が感じられるガーデンではあるが、ブランコ型の椅子があったりリラックスできる雰囲気。

中に入らずとも、脇の道路沿いでRed Spring(赤い泉)の水を取ることもできる(茶色いレンガの左脇)。しかし知らないと何も書かれていないのでためらってしまうと思う。

White Spring(白い泉)

Red Springの道路を挟んで向かいに位置するのがWhite Spring(白い泉)。無料の湧き水コーナーだ。こちらは錆びた味がしないらしい。

偏見かもしれないけれど、いかにも薬をやっていそうな見た目のカップルがRedとWhiteの水を汲んでいる。もう髪が薄くなっているのに赤く染めて編み込みをした中年女性とモヒカンの男性(推定50代)。商売に使うのだろうか。

Whiteの方には、おじさん方が他にふたり並んでいた。誰にも幸せオーラが漂っていなくてとまどう。

前に並ぶ男性に尋ねると、水の利用目的は飲用だということ。

水道水には化学薬品が入っているし、ペットボトルの水は倉庫に何年も置かれていたものでまったく新鮮ではない。それに比べてこの泉の水はケミカルではないし新鮮そのもの。冷暗所においておけば(新鮮なうちに飲みたいけれど、水なので保管しようと思えば)20年だって日持ちするよ、とのこと。実際この人は黒いタンクを使っていた。

マスクは免疫力をダウンさせるからよくないと陰謀説を掲載するようなサイトを勧められた。

White Springは横から覗くと、鍾乳洞のような雰囲気。日曜13時はキャンドルが灯るらしい。


なんだか印象良くないようなこともたくさん書いたけれど、今回の旅では、入場料が無料だとか、思いがけず金額が安くなるとか、金銭的な小さなサプライズがいっぱいあった。また人のやさしさに触れ、リフレッシュして元の生活に帰ってきて、いいパワスポ巡りになったように思う。

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