ロンドンは無料の美術館が多いので気楽に行ける良さがある。
何度訪れてもいいからゆっくり見てもいいのだろうけれど、興味のない作品は1秒も見ていないかもしれない。
美術館に行って毎回心が動くのは、美術どうこうではなく、作品のなかに見える当時の生活。500年とか昔と同じような果物や野菜を食べていること、今とたいして変わらない家に住んで、そんなに変わらない服を着ているという事実に驚く。またそんな昔に絵がうまい人がいたのだなあと思ってしまう(現代に生きていて、進化していてもいいのに自分は絵がうまくない)。
それぞれの美術館のおすすめを紹介しよう。
The National Gallery(ザ・ナショナル・ギャラリー)
イギリス屈指の有名美術館で、レオナルド・ダ・ヴィンチのコーナーなどがある。
宗教画が多い印象。
個人的には宗教画が苦手なのだけど、受胎告知は好きで。見つけたのはこの3つ。
Carlo Crivelli、1486年
Fra Filippo Lippi、1450-3年
Nicolas Poussin、1657年
肖像画もかなり多い。その中でもっとも美しかったのがこちら。
Portrait of Charles William Lambton(The Red Boy)
Sir Thomas Lawrence、1825年
Tate Britain (テート・ブリテン)
宗教画がほとんどないのが魅力。近代から現代まで、絵画、彫刻、立体展示、映像までありバランスがよい。Tate Modernより楽しいかも。
こちらにも受胎告知があった。探していなかったのに神々しい光を放っていたのがこちら。
Arthur Hacker、1892年
こちらは皆既日食の直後だったせいか目についた、日蝕の絵。
Square Motif, Blue and Gold: The Eclipse
Victor Pasmore、1950年
未完成と言うけれど心を打つ。イギリスを代表する画家、Joseph Mallord William Turnerの展示コーナーがある。
Rocky Bay with Figures
JMW Turner、1827-30年
スコットランドの夜明けも美しい。
Norham Castle, Sunrise、1845年
ショップも見ごたえがある。
ロンドンの色シリーズの商品がおもしろかった。
The Courtauld Institute of Art(ザ・コートールド・インスティテュート・オブ・アート)
Somerset House(サマセット・ハウス)にある美術館。ここは有料だけど学生は無料。
ここでも受託告知を発見。
Master of the Judgement of Paris、1430-40年
ここに来たのは、印象派の作品が多くあること。やはり日本人なので印象派が大好き。
ドガは踊り子、ゴーギャンはタヒチ、ゴッホは力強いタッチ、そんな風に学校で習ったことを再確認させてくれる空間。
むかしは興味のなかったセザンヌだけれど、硬いタッチが魅力的にみえてきた。
スーラの点描画。
左のマネは人物だけでなく水を描くのも素晴らしいなとか。右のルノワールは白の使い方がうまいなとか。
モネの海の色も味わい深くて見飽きることが無い。
ほかに目を奪われたのがこちら。知らなかったけれど、16世紀のベルギーの画家ピーテル・ブリューゲルの作品。
Landscape with the Flight into the Egypt
Pieter Brueghel the Elder、1563年
聖母マリア、ヨゼフ、乳幼児のジーザスがエジプト入りするところだそう。
またこちらのショップはほかの美術館と比べてもとりわけセンスがいいので是非見て欲しい。
Sir John Soane’s(サー・ジョン・ソーンズ)
彫刻など立体的なものが多め。混沌とした雰囲気を楽しみたい場合はこちらがおすすめ。
以前書いたレポートをどうぞ。